91.後処理13
それからどれくらいの時間眠っていたのかは分からないけど、外が騒がしくて目が覚めた。一体どれくらい寝たのかな? とそんなことを思いながら金属音らしき音が聞こえてるので、武器を装備して馬車を下りるとみんな武器を抜いた状態で外の様子を窺っていた。
「どうかしましたか?」
そう声を掛けると近くに居たユミルさんがやや驚きながらも答えてくれた。
「ランデルさんが戻ってきたみたいです。ただ、誰かと交戦しながら戻ってきたみたいです」
「誰かと交戦? もしかして賊の生き残り?」
「おそらくそうだと思います」
その話を聞いて外の様子を窺うと離れたところでランデルが誰かと戦っていた。ただ、相手は2人いるようで、ランデルが押されているような感じだ。それにしても、あんなにいろいろ言って、たくさんの武器を持って戻るはずだったランデルが自身の武器以外持っていない。それだけ、2人の相手がきついのだろうとそんなことを思っているとジェイドさんがユミルさんに話しかけた。
「これからどう動く?」
「そうですね。できれば私達が居る場所を知られないでランデルと戦っている人達を倒した方がいいと思いますが難しそうですね……」
「そうだな。少なくても、雪が積もっているから足跡ですぐばれるだろう」
おそらく、ユミルさんは保護した人達を守ることも考えてできる限り知られたくないと思っているようだ。念の為、周辺に他の人の反応がないのか確認したけど、特に反応がなかったため、あそこにいる2人を倒せば問題ないと思う。
「近くには2人しかいませんよね?」
「そうね。確認できるのは2人だけですね」
「それなら1人、ランデルの応援に行けば問題ないと思います。見た感じ、そこまで強そうな相手ではないので一対一なら問題なく対処できると思います」
「……なるほど。それなら1人に行ってもらった方がいいのか……」
「そう言うことなら俺が応援に行こう」
「え? いいのですか?」
「特に問題ない」
「それならお願いしても?」
「分かった」
そう言うとジェイドさんはランデルさんの元へと駆け出して行った。そして、ランデルと戦っている人の元へ行くと1人を後ろから斬り飛ばして動かなくなった。
ランデルはジェイドさんの登場に驚いていたが相手が後1人になると、特に問題なく倒した。それからジェイドさんと少し話すと私達の方へと歩き始めたのだった




