88.後処理10
「どうして俺の位置が分かった?」
そう言われると何と答えていいのかが分からない。流石に魔法を使って分かりましたと言うのもどうなのかな? と思った。
「ん~、なんとなく? 盗賊を倒しているときも割と近くで見ていましたよね?」
そう言うとゲンツさんは驚いた顔をした。
「……気付いていたのか?」
「たまたまですけどね。それに、依頼に同行すると聞いたときには近くで見ているのだろうなぁ。と思っていたので……」
「……そうか。他の連中も気付いているのか?」
「それはちょっと分からないですね……」
「とりあえず、今のことは内緒にしておいてくれ」
「分かりました」
「それでどんな要件で来た?」
「ランデルのことでゲンツさんに来てほしくて呼びに来ました」
「分かった。ならそちらに向かおう」
そう言ったので一緒にみんなが居る場所へと向かったのだった。
そうして拠点に戻ると私が戻ってきたことにみんな気付いたようでユミルさんが話しかけてきた。
「どうだったの?」
「ゲンツさんを連れてきました」
そう言うとゲンツさんが中に入ってきた。
「ランデルのことで相談したいことがあると聞いたがどういったことだ?」
「ランデルさんが戻ってこなかったときの対応についてです」
「それは自分達で考えるように。どのように行動しても構わないがみんなで納得したのならそれで構わない」
「そうですか……。分かりました」
「まぁ、よく話し合うように。俺は近くに居るから話し終わったら俺に報告しに来い」
「はい」
そう言ってゲンツさんは外へ出て行った。




