85.後処理7
それから彼女達を連れて拠点へと戻ろうと思ったとき、ランデルがこんなことを言いだした。
「女まで持てないぞ。たくさん武器を持っているからな」
「えっと、運んでもらわないと困るので、女の人を担いでから武器は持てるまでにしてもらってもいいですか?」
ユミルさんは困惑しながらも女の人を運んでもらえるようにお願いをするとランデルが不機嫌そうに顔をした。
「はぁ? 何言ってんだ? 女なんか置いてけばいいだろ。それより金になるものが大事だろ?」
「パーティで動いているだろ。リーダーの言うことを聞いた方がいいと思うが?」
するとジェイドさんがそんなことを言った。
「……依頼は終わったから問題ないはずだ」
「依頼に関してはそうかもしれないけど、助けた人は最後まで責任を持つべき」
「そういうならお前が1人で担げばいい。俺は戻る」
「え? 勝手な行動はやめてください!」
「依頼は終わったから関係ない」
ランデルはそう言って外へと出て行った。
「……ユミルさん、どうしますか?」
「彼女達は私達で運ぶしかありません……」
「なら、俺が2人担ごうか? 背負っているものが無ければ問題なく運べる」
「気持ちはありがたいですが、ジェイドさんだけに任せるのも……」
「それなら私が1人担ぎましょうか? 小柄な人なら多分大丈夫です」
「え? でも、小柄な人でもレーナさんよりも大きいですよ?」
「問題ないです。あとはユミルさんが頑張って1人担いでもらえれば、メアリーさんとユアで1人運んでもらいましょう」
「……分かったわ。それで行きましょう」
そういう訳で、各々女性を担いだりしながら拠点へ戻るために歩き始めた。




