82.後処理4
そうしてユミルさん達が居る場所へ近づいていって、分かれ道のところに着いた頃には少し煙たくなっていた。
「何だか少し煙たいが遺体を燃やしているのか?」
するとジェイドさんがそんなことを聞いてきた。
「あ、はい。ユミルさんが火を点けていました」
「これくらいなら問題ないと思うが、救助してからの方がよかったかもしれないな」
「そうですね。私もすぐに点けるとは思わなくて少し驚きましたが……」
「そうなのか」
とそんなことを話しているとユミルさん達が見えてきた。
「あ、ユミルさん。皆さんを連れてきましたよ?」
「え? 皆来てくれたの?」
するとちょうど布らしきものを撒き終えたユミルさんが顔を上げたのだった。
「はい。私が向かっている最中に彼等と遭遇したのでそのまま連れてきました」
「そうなんだ。とりあえず、彼女達を運び出したいので協力していただけると助かります」
そう言うとみんな分かったなどと言って運び出すことに協力してくれた。ジェイドさんとランデルは1人ずつで、ユミルさんとメアリーさん、私とユアで残り1人を背負ったりしながら外を目指して歩いた。
それから外が見えるところまで運んできたところで先頭を歩いていたユミルさん達が立ち止まった。
「彼女達は出口付近で一旦下ろして、見張りに何人か残ってもらいたいと思います。その他の人達は、盗賊が溜めこんだものをある程度回収したいと思っていますがどうでしょうか?」
「俺は行く。大した依頼料も貰えないからある程度の収入が欲しい」
「俺も行く」
「私はどちらでもいいです」
「わ、私も」
「私は見に行きたいかな?」
「そうですか……。それならどう組み分けをしましょか」
と言ってユミルさんが悩んでいたので私とユアでこの場に残ろうかな? と思いユミルさん達に提案した。
「私とユアが残りましょうか?」
「え? いいの?」
「はい。ユアもいいよね?」
「うん」
「それなら2人にお願いしようかな?」
「分かりました」
「はい」
そうして、ユミルさん達は私達が発見した盗賊の倉庫的な場所へ向けって出発していったのだった。




