72.探索2
それからユミルさんの元に戻った私達は、先ほどのこと見てきたことをユミルさんに伝えた。
「(分かったわ。それにしても、いきなり盗賊を倒してくるとは驚きね)」
と私達の報告を聞いて、ユミルさんは苦笑いをしていた。まぁ、先に何があるのかを見に行ったらついでに見張りの盗賊を1人ずつ倒してきたということだから多少は驚くかもしれないけど……。
「(とりあえず、もう一方の道も進んでみましょう)」
そうして先へと進んで行くとまた二手に分かれる場所に着いた。ただ、今度は先ほどと違って片方からは明かりが見えていて尚且つしっかりとは聞き取れないけど、声が聞こえる。
「(あっちの道は人が居るみたいね……。こっちの道は明かりはないけど、人がいる可能性は高いかもしれないわね……)」
「(また、私達で様子を見てきましょうか?)」
「(流石に、今度は私が行くわ。ユアさん、一緒に行きませんか?)」
「(わ、私はいいですけど……)」
とユアはそう言って私の方を見てきた。
「(行っておいで、私はここで待っているから)」
「(分かったの)」
「(それじゃあ、私達でこの先を見てくるけど、何かあった場合はすぐに私に知らせてね?)」
「(分かりました)」
そうして、ユミルさんはユアと一緒に先へと進んで行った。
「(さて、しばらく私1人かどうしようかな?)」
とそんなことを思いながらとりあえず、魔法を使って周囲を調べてみると光が漏れていた方には20人ほど、そしてユミルさん達が先へと進んだ方には6人と4人がいた。ここからでははっきりと分からないけど、多分もう一回分岐があるのかもしれないと思った。でも、どの人も動いている様子はなかったが少しユミルさん達のことが心配になった。
「(ユミルさんはしっかりしているし、ユアも気配には敏感だから人が居ることに気付いて戻って来てくれるかな?)」
とそんなことを思いながらユミルさん達が戻って来るのを待っていた。




