65.休息7
私が馬車の中に入るとみんなが一斉に私の方をみた。
「えっと、皆さんお揃いのようですが何かありましたか?」
そう聞くとユミルさんが話してくれた。
「何でもないわ。ランデルさんが来たので、作戦の確認をしていただけです」
「それならよかったです」
「……因みに、レーナさん達は周辺の散策をして何か収穫はありましたか?」
「これと言って特には……。ちょっと狩りをして、偶然ウルフと遭遇したので倒して食べて来ただけです」
そう言うとランデルを除いたみんながやや引き攣った表情をしていた。一体どうしてだろう? とそんなことを思いながら首を傾げていると、私の発言から怪訝そうな様子をしていたランデルが話しかけてきた。
「もうちょっとましなことを言え。いくら何でも適当過ぎるだろ」
「いや、嘘は言っていないけど……。ほら、さっき倒したウルフの毛皮がここにありますよ?」
そう言って先ほど倒したウルフの毛皮を出すと何故かみんな驚いた表情をしていた。
「……その毛皮はレーナさんが?」
「はい。まぁ、倒したのは私ですけど解体したのはユアですが……。ね?」
そうユアにも問いかけるとユアが頷いた。その様子をみていたユミルさん達は困惑した様子を見せながら理解したのか頷いてくれた。
「それで、ユミルさん達は先ほどの話を共有していたみたいですけど、何か変わった点とかはありますか?」
「まだ、情報共有したところなので、そう言った話にはなっていません」
なるほど、つまり、私が来たタイミングでとりあえず、一通りの話が終わったところだったのだろう。
「……とりあえず、先ほどの話で作戦を進めて行きたいですがランデルさんは何か意見などはありますか?」
そう聞かれたランデルは首を横に振ったのでとりあえず、問題なく作戦が決まったようだった。
それからは作戦決行までの間自由ということになり、適度に体を動かしたりしていたら日が暮れそうになってきたので、夕食を食べた。
馬車から少し離れたところで火を焚いてそこで、お肉を焼いて食べていたが馬車の方から覗く視線がいくつかあったけど、気にせずに食べた。食べ終わった後は、作戦開始時間になるまで、寝ることにして、ユアと一緒に眠りに就くのだった。




