64.休息6
昼食を食べた後は、散策を切り上げ拠点へと戻ることになった。まぁ、今回の散策としては成果がなかったかもしれないが食料を調達できたのはよかった。お昼もおいしかったし、夕食も楽しみだなぁ。と思いながら歩いているといつの間にか拠点近くにやってきていた。
「あ、ランデルさんがいるみたい?」
するとユアがそう言ったので、どこに居るのかな? と思って探していると、どうやらランデルがいたわけではなくて、ランデルのテントが外に張ってあったからユアがそう言ったみたいだった。
「あ、本当だ」
「吹雪が止んだから合流できたみたいだね?」
「……そうだね。あとは、作戦の最終確認をして決行時間まで待機かな?」
「そ、そうだね」
するとユアは不安そうにそう言った。そう言えばいろいろなことがあったけど、今回の依頼で初めてやることになるから不安なのかもしれないと思った。でも、惨い経験はそれなりにあるから取り乱すようなことはないと思うけど、やや不安だ。
私の場合は、怒り任せにやった経験があるけど、止めは刺したことがないから初めての経験になるかもしれない。そう思うと不安には思うけど、思っていたよりも平気そうな自分もいて少し驚いている。
(もしかしたら、この体にある記憶と前世の記憶が混じっているから和らいでいたりするのかな?)
とそんなことを思いながらユアの頭をポンポンと叩いた。
「な、何?」
「心配しなくても私がいるから。だから一緒に依頼を頑張ろう?」
「……分かったの。そ、そのありがとうね?」
「お礼を言うようなことじゃないよ。不安に思うことは仕方ないかもしれないけど、その不安が命取りになるかもしれないから躊躇わずやりきろう?」
「うん!」
そんなことを話していると拠点に到着した。
「とりあえず、ユミルさんに報告をしようか?」
そう言うとユアが頷いたので、馬車の中に入るとそこには残っていたメンバーとランデルがそこに居た。




