52.話し合い
「……ランデルがどこかに行ったみたいなので、ユミルさんは話の続きをお願いします」
「え、ええ。……でも、ランデルさんが居ないまま始めてもいいの?」
「さぁ? 最終的に話を共有できれば問題ないのでは? 今回の必要なことは盗賊の討伐ですから。まぁ、あのままランデルがいたとして話がうまく進むかと言われるとかなり怪しいですが……」
「……分かったわ。一応、確認ですが、今、レーナさんが言った通りに進めたいと思いますが皆さんは大丈夫でしょうか?」
とそうみんなに問いかけると、皆が頷いた。
「分かりました。とりあえず、私が話したこととレーナさん達が言ったことは事実だということは理解しておいてください」
「え? もしかして、川のことも事実だったの?」
するとメアリーさんがそんなことを聞いてきた。まぁ、話したタイミング的には、方便のように感じたのかもしれないなぁとそんなことを思った。
「そうだよ。実際に現場を見ている訳だし……」
「そ、そうなんだ。まだ、飲んでいなくてよかった……」
とメアリーさんがそんなことを呟いた。
「もしかして、ランデル以外は飲んでいないの?」
「そうだね。ユミル達が帰ってくる少し前にランデルが川の水を飲んでいたから」
つまり、私達が目撃した現場がたまたまそう言う場面だったのか……。多分、ランデルに運がないのだろう。
「……盗賊の討伐に関してはどのように行う予定だ?」
「それに関しては、私としても判断ができないので意見とかを出してもらえらありがたいと思っています。でも、持ってきた情報から考えても情報が不十分だと思うので不測の事態とかもいろいろと想定しないと難しいかもしれません」
確かにユミルさんの言う通り難しいかもしれない。見張りも入口でずっと立っていたから警戒心も強いのかもしれない。人数は魔法を使って調べたけど、夜じゃないから出歩いている人もいるだろうし……。やっぱり夜に確認しに行った方がいいかもしれない。とそんなことを思った。どこかのタイミングで散策ついでに確認をしに行こうとそんなことを思った。




