50.報告?
そうして、皆のところに集まるとメアリーさん達はユミルさんに視線を向けた。
「それで、どうだったの?」
「えっと、とりあえず、盗賊の根城は確認できたわ」
「情報通りだった?」
「そうね」
「他に何か分かったことは?」
「見張っていた中で確認できた人数は7人だった。2人は見張りをしていて、1人は外に出ていた人、それ以外は洞窟の中から出てきて外で用を足していたわ」
「中の確認はできなかったのか?」
するとランデルがそんなことを聞いてきた。
「それは見張りが居たから中まで確認することは……」
「偵察なんだから少しは確認しろよ」
とそんな悪態をついてきた。私達でわざわざ偵察をしに行ったのにその言い草はどうなの。と思い反射的に言い返した。
「じゃあ、今から行ってくれば? 戦闘をしないでちゃんと情報を集めてきてよ」
そう言うとランデルの顔が真っ赤になった。どうやら分かりやすく切れているみただ。まぁ、ランデルが怒ったところで私には大して影響はないけど……。
「小娘、いい加減にしろよ! 俺の方が先輩なんだぞ! 先輩を敬いやがれ!」
「弱い人に言われても困る」
私がそう言うと他の人達が顔を逸らした。ただ、ランデルはそこのことに気付いていないみたいだが……。
「俺は3年以上冒険者をしているんだぞ! お前はどれだけ冒険者を続けているんだ!」
「え? えっと4カ月?」
確か、ギルドに登録したのが10月で、現在が2月だから間違っていないと思う。そんなことを思っていたらランデルが一瞬驚いた顔をしたがすぐに取り繕っていた。
「え? レーナさん、冒険者を始めて4カ月なの?」
するとユミルさんにそんなことを聞かれた。
「はい」
「……そうなんだ」
「お前等は冒険者を始めてどれくらい経つ」
するとランデルがみんなにそんなことを聞いた。一体どういう風の吹き回しなのかな? と思いながら、それぞれの返答を聞いた。その結果、ユミルさんとメアリーさんが3年経っていないくらいで、ジェイドさんは2年ほどらしい。その話を聞いたランデルは何故だか機嫌が良さそうだったが次の言葉を聞いた瞬間ユミルさんとメアリーさんが不安そうにし出した。
「それなら、先輩にあたる俺が言うことを聞くのはおかしくないはずだよな?」




