89.ユアにあった出来事
「そうしたら今度は、何で生きているのに俺達の所に来ないのかと怒り出して無理やり狩りに連れて行かれたの…。そのときに防具をつけていったらまぁ、いろいろあったけどレーナちゃんが言った通りに話したらとりあえず何も言わなくなったの。それで武器が…あ!レーナちゃんに武器を返すのを忘れていたの。ごめんなさい」
と言って話している途中で私の武器を返却し忘れていたことを思い出して謝ってきた。
「いいよ。ちゃんと返してくれれば」
「私の背中辺りに多分あると思うから…!」
と言って左手を動かして背中を探ろうとしたらユアが急にビクとした。
「どうしたの?」
「左腕が痛くて短剣を上手く引っ張れなくて…」
「ちょっと触るよ?」
そう言ってユアの左腕を軽く触っていくと明らかに折れている箇所が何か所かあった。
「こっちも折れているの?」
両腕と右肩が折れる怪我とか本当にユアの身に何があったの?とそんなことを思いながらユアが私に返却しようとしていた短剣を回収しておく。
「とりあえず短剣は、返してもらったから気にしなくてもいいけど続き話してくれる?」
「分かった。…それで防具の話までは、話したから、武器の話だけど、そのレーナちゃんのものを借りる形で森に向かったの。最初は、ゴブリンを狩っていたけどいつもと違った気配を感じて茂みからそっと覗いたらそこにオークがいたの」
「オーク…」
知識としてしか知らないけどゴブリンと比べものにならないくらい強い魔物じゃなかったかな?
「そうなの。オークは、強い魔物だから私達では、勝てないと思って早く離れた方がいいと言ったけど彼等は、私の言うことは、聞かなくてオノマが倒そう。と言ってオークに突っ込んでいったの。
オークは、オノマのことに気がついてその攻撃を弾き返してオノマが飛ばされたの。それをみて逃げようと言って逃げたけど逃げた先が崖でとりあえず逃げないといけないから崖に沿って走っていたらオノマがオークに攻撃を仕掛けるから私に最初に攻撃しろ。と言ってきてそれを嫌がったら崖から突き落とすぞ!と言われて仕方なくオークに向き直って短剣を抜こうとしたら後ろから強い衝撃がきてオークの方に飛ばされたの。
痛いと思って前をみるとオークが目の前にいて手がすぐ近くまで来ていたから咄嗟に両腕でガードしようとして殴られて意識が無くなったの。それで目を覚ましたらレーナちゃんが目の前にいたの」
何があってユアが大怪我をしたのかは、分かったけど自分たちが助かるためにユアを犠牲にしようとしたのは、許せない。しかもユアが後ろから衝撃がとか言っていたけど多分だけど剣の腹の部分でユアを思いっきり叩いたのだろう。話を聞いている途中から凄い怒りが湧いていたけどユアの話が終わるまで何とか耐え抜いた。でも、これは、言わずには、いられなかった。
「あいつら最低ね!」




