167.拠点を目指して
それからパチパチという音が聞こえて目が覚めるとゼロスさんが焚火に木を入れている所だった。
「お、レーナ、目が覚めたか?」
「はい」
そう言って体を起こすと日が上の方まで上っていた。思っていたよりも長いこと眠っていたみたいだ。
「すいません。長いこと眠っていたみたいで……。それに暖まで」
「気にしなくてもいい。それより暖かい飲み物だ」
そう言ってゼロスさんはスープらしきものを渡してきた。
「ありがとうございます」
そう言って受け取るとスープからいい匂いがした。多分だけど、干し肉を入れたスープだと思う。
「いただきます」
そうして、そのスープを飲んでみると塩コショウで味付けがしてあるみたいでおいしい。
「おいしいです。それに体の芯から温まります」
「そうか、それならよかった。それにしても、本当に眠っていてこっちが驚いたぞ?」
「?」
もしかして、本当に寝たらまずかったってこと? と思い首を傾げていると何故だかゼロスさんが溜息をついていた。
「普通、こんな場所で寝たら死ぬぞ? 雪が降ったりもする温度だと言うのに……」
ゼロスさんにそう言われてどういった理由で先ほどのことを言ってきたのかが分かり、確かにそれは危ないかも。と思った。でも、記憶の中にある私は何度かこんな時期に外で寝ていたことがあったけど、よく無事だったよね? もしかして、寒さの耐性がなかなか高いのかな? とそんなことを思った。
「……そう言われるとそうですね。何度も寝たことがあったのでうっかり忘れていました」
「な、何度もって……」
私がそう言うとゼロスさんがやや引き攣った顔をしていたけど事実だから仕方ない。でも、私も今思うとかなりまずいことをしているなぁと思う。
それから、出発する準備をすると私達は馬車を止めた場所へと向かって歩き始めた。




