135.ゴブリンとの交戦
それから日が沈みそうになる夕方までゴブリンと戦ったがまだ戦闘が続いていた。でも、最初の頃と比べるとやってくるゴブリンの数は半分ほどには減っているがいまだに途切れることなくゴブリンがやってきていた。少し前から後方からもやってきているからいろいろと警戒をして気力の消耗が大きくなっている気がする。ただ、体力的には平気な感じだけど……。
「レーナ、随分と長いこと戦っているが大丈夫なのか?」
するとゼロスさんがゴブリンと戦いながらそんなことを聞いてきた。
「今のところは平気です」
「……そうなのか? それならいいが無理はするな。それにいつまで続くか分からないから休憩もしっかりと取った方がいい」
「……分かりました。近くに居るゴブリンを倒したら下がります」
そう言って近くに居たゴブリンに一気に近づいた。そして刀を振るうとゴブリンを切り飛ばした。近くにゴブリンが居ないことを確認すると足元に気を付けながら後退していく。
「流石だな。ゴブリンジェネラルより下の上位種なら早く倒せそうだな」
「そうですね。ゴブリンジェネラルは手強いので手早く済ませるにはまだまだ実力が足りないと思います。でも、他のゴブリンも気を付けないと怪我をする可能性があるので十分に注意しています」
「それがいい。とりあえず後方に下がったら返り血とかある程度落としておけよ?」
「はい。それでは休憩に行かせてもらいます」
と言って私は後方へと下がった。
私は休憩している人が居るところに行くと休憩している人がやや引き攣った表情で私を見てきた。
(何かおかしなことでもあるのかな?)
と疑問に思っていたがその疑問はすぐに解消した。
「(あぁ~。なるほど)」
戦闘での汚れを確認したときブーツがゴブリンの血などで赤黒く汚れていた。ローブも下の方は血しぶきが飛んだ跡もあった。自分の汚れ具合を確認したときなんとなく後ろが気になって振り返ってみたら私が歩いてできた足跡が残っていた。
とりあえずこの汚れをある程度落とした方がいいと思い、この辺りを散策しているときに見つけた用水路跡? みたいなところへと向かうことにした。まぁ、歩いて数十メートルほどなので少し歩いて到着した。
そして水が溜まっている場所へと入るとそこが思っていた以上に柔らかかったようで膝上ほどまで沈んだ。思っていた以上に深いことに少し驚いたがとりあえず汚れを落とし始めた。それからなんとなく綺麗にしたら水が赤茶色に濁った。まぁ、かなり汚れていたからかもしれないけど、それから用水路? から出るとブーツが泥だらけだったので近くの雪で落とすとかなり綺麗になった。
「とりあえず、これくらいでいいかな?」
それから私は、休憩場所へ行き、水分補給や軽く何かをつまんだりしながら休んでいた。




