133.迎え撃つ準備2
ゼロスさんが去ってからしばらくして、冒険者達の準備が終わった。するとコアンさん達がやってきた。そして、冒険者達の前にやってくるとコアンさんが話しかけた。
「ゼロスさんから話を聞きましたが、準備が整ったということでよろしいでしょうか?」
そう声を掛けると冒険者達は各々頷いていた。
「分かりました。皆さんはどうして私が話しているのか気になっているかと思うので一応、理由を説明します。現在ゼロスさんは別件の対処の為ゴブリンの襲撃時には戻れないとのことです。用事を片付けたらこちらの方に戻って来るそうなのでそれまで私がこの場の指揮を執ることになりました」
コアンさんがそう言うと一部の冒険者は不安そうにしていたがほとんどの冒険者達が納得したように頷いていた。
納得したように頷いている冒険者達が多いからコアンさん達の実力はかなり知られているかな? とそんなことを思った。私もコアンさん達が戦闘している所を何度か見て知っているのでかなりの実力者だということは分かっている。ただ、ゼロスさん程ではないようだが……。
「一部、私達の実力を不安に思っている者もいるようだがこれでもBランク冒険者だ。だから安心するようにとは言えないが出来る範囲のことで手助けをするつもりだ。私の指示としては兎に角ゴブリンを倒すことに集中して、手に負えなくなった場合は後衛部隊に援護を求めるそれだけです。
戦況が悪すぎる場合は撤退を指示するかもしれませんが各々実力が発揮できるように頑張って欲しい」
コアンさんがそう言うと冒険者達は「オー!」「はい!」と言った返事をしてゴブリンがやってくるのを待ち構えていた。
それからしばらくすると角からゴブリンが出てきた。それから何匹か通り過ぎるととあるゴブリンが私達の存在に気付いて、鳴き声を上げた。すると他の場所へと流れていたゴブリンの流れが私達のいる門の場所へと向かってきてゴブリンとの戦闘が始まった。




