131.ルノジス達
騒ぐルノジス達を(こいつら馬鹿だなぁ~)と思いながら見ていたがゴブリン達が迫っていることをゼロスさんに伝えないと! と思い先ほど知り得たことをゼロスさんに話すことにした。
「ゼロスさん、少し前に大量のゴブリンが集落に入ってきています。すぐに動けるようにしないとまずいと思います」
そう言うと冷めた目でルノジス達を見ていたゼロスさんが顔色を変えて私の方を見てきた
「……どういうことだ?」
「詳しいことは分かりませんが、彼等がゴブリンを引き連れてきた可能性がとても高いです」
そう言ってルノジス達を見るとゼロスさんは少し考える素振りをしたがすぐにルノジス達に視線を向けた。
「お前ら一体何をした」
ゼロスさんは低い声音でルノジス達に尋ねた。すると先ほどまで余裕がありそうだった彼等の表情が一変して硬い表情になっていた。もしかして、ゼロスさんの声音を聞いてヤバいとでも思ったのかな? まぁ、ルノジス達みたいに直接は言われていないけど、近くで聞いただけでも言葉に圧を感じたからその影響かもしれないが……。
「「「……」」」
そんなことを思いながらルノジス達を見ていたが彼等は何も言うことはなくただただ沈黙していた。
「……何をしたのか言わないと無理やり吐かせるぞ? それに、先ほどは言いたい放題いろいろ言っていたがお前達を処罰することは確定事項だ。少しでも、処罰を軽くしたいのならお前達がしでかした内容をここで吐け」
そうゼロスさんが吐き捨てるとルノジス達はぎこちないながらも軽く視線を合わせると、何をしたのかを話してくれた。そうしてルノジス達が話した内容をまとめるとこんな感じだ。
たくさんのゴブリンに襲われて逃げだしたことに苛々して見つけ次第ゴブリン達を嬲り殺していた
たくさんのゴブリンを倒したらいつの間にか捌き切れない数のゴブリンに襲われて逃げ出した
たまたま集落の近くに出てきたので中に入って隠れようとした
他の冒険者達を発見してゴブリン達を擦りつけようと思って捕まった
ルノジス達の話を聞いているとかなりしょうもないことが原因でこんなことになったことが分かった。まぁ、彼等の頭が残念というのもあるけど、自分のことしか考えていないから何でもやってしまうのだろう。許されることではないが……。




