130.監視
それからしばらくするとコアンさんが戻ってきた。
「ゼロスさんが来て欲しいとのことです。私に付いて来てください」
そうコアンさんに言われるとコアンさんのパーティメンバーの人達がやや驚いていた。まぁ、私が言ったことが本当だとは思わなかったのだろうけど……。とそんなことを思いながらコアンさんの後をついて行った。
コアンさんに案内された場所はどうやら道の突き当りみたいで辺りは、木と壁に覆われていた。そして壁の近くにある木にルノジス達がそれぞれ縛り付けられていた。
「ゼロスさん、連れてきました」
そうコアンさんがゼロスさんに声を掛けるとゼロスさんは私の方に振り向いた。
「来たみたいだな」
するとゼロスさんの声に反応してルノジスは私を見つけると怒りの形相で怒鳴りつけてきた。
「さっきの糞餓鬼! てめぇのせいで縛られたじゃねぇか! さっさと誤解を解いて介抱しやがれ!」
いやいや、誤解も何もいろいろ違反をしたのはお前達だろ……。そんなことをしたお前達だからこそ捕まっている訳だし……。
「ギルド違反をした人は捕まって当然よ」
「はぁ? 何言ってやがる。そんなことするわけないだろ! 早く解きやがれ!」
「そうだそうだ!」
「早く解放しやがれ!」
とルノジス達は同調するようにそんなことを言ったが、ゼロスさんはそんな彼等に冷めた視線を向けていた。




