127.捕獲
ルノジス達がいきなり武器を抜いたことに驚きながら、一緒に行動していたパーティの人もルノジス達にやられてうまく逃げれなかったことを思い出した。
(もし、前回と同じことをしようとしているのならルノジス達は何かから逃げてきたということ?)
とルノジス達の行動を見ても私は思っていた以上に冷静だった。まぁ、ルノジス達と遭遇したら戦闘になるだろうと思っていたからかもしれないけど……。
「おい! 誰かが武器を持ってこっちに来るぞ!」
すると私から離れたところにいる冒険者がようやくルノジス達に気付いたみたいでそんな声を上げた。
「あれはルノジス達じゃないか? 確か仮のパーティで問題を起こして行方を晦ましていた」
「あいつらがか? まぁ、兎に角武器を手にしてこっちに来るんだから無力化して捕まえないとな」
「……そうだな」
すると何人かの冒険者はこっちに向かってきている冒険者が誰なのかを認識して捕えようとしていた。でも、捕えようとしている冒険者達より私の方がずっとルノジス達に近いところに居るからとりあえず、ルノジス達を無力化しないとなぁ……。とそんなことを思いながら刀を抜き構えた。
そしてすぐにルノジス達は私の近くまでやってくると嫌な笑みを浮かべながら私に向かって剣を薙いできた。私はそれを上から思いっきり振り落とすとルノジスの剣先が地面に当たり、剣が二つに折れた。一方、ルノジスはと言うと私の一撃を流すことができずに体勢を崩していたので横から足を引っかけるとあっさり地面へと転がった。
「「なっ!」」
するとルノジスの後ろを走っていた2人があっさりとルノジスが倒されたのを見て驚いていたが、すぐに私の方に進路を変えて襲い掛かってきた。私は彼等の攻撃を躱して、ルノジスが転がっている場所を意識しながら同様に転がすと起き上がろうとしたルノジスにのしかかるように2人共倒れた。まぁ、ルノジスが彼等の重みで悲鳴を上げていたが、そんなことお構いなしに武器を素早く回収して、逃げないように彼等の膝を痛めつけておいた。




