114.作戦へ38
ゴブリンを捜しては倒すということを繰り返して、夜が明けてきた頃ようやく集落に居るゴブリンがいなくなった。それからしばらくの間、ゴブリンが居ないことを確認して、ゼロスさんに声を掛けた。
「ゼロスさん、さっきからゴブリンが近くにいるようには感じませんがゼロスさんは何か気付いたこととかありますか?」
「……特にないな。それに、俺よりもレーナの方が早くゴブリンの位置を把握して見つけているような気がする。俺にはこれ以上のことはできない」
とゼロスさんがそんなことを言ってきた。まぁ、魔法を使ってずるをしたけど、ゼロスさんにそんなことを言われるとは思っていなくて少し驚いた。でも、私が視認もしくは、把握するよりも早くゼロスさんが気付いていた。むしろゼロスさんの方がよっぽどすごいと思う。
「そんなことありません。なんとなく位置を察することができてもしっかりとした居場所を把握するのはゼロスさんの方が早いです」
「そんなことないだろ?」
「いえ、私なんかまだまだです。ゼロスさんの方がしっかりと居場所まで把握していたように思います」
「……それは、経験が多いからだ」
「私にはその経験が少ないのかもしれません。だからまだ、甘いのかもしれません」
「……そうか。ただ、ゆっくりと経験していくものだから無理は良くない」
「……分かりました」
「それと、今の作戦についてはここまでで完了ということにして戻ろう。できればコアン達と合流できたらいいのだが。まぁ、戻っている最中に発見したらということにしよう」
という話になったので私達は、休憩していた門の場所へと戻った。因みに、道中でコアンさん達と遭遇するように戻ったので無事にコアンさん達と合流して門の場所へと戻った。




