113.作戦へ37
建物を出た私達は少し離れたところまで歩くと、ゼロスさんが振り返った。
「これからこの集落に居るゴブリンを殲滅するために行動をしたいと思っている。何か質問や聞きたいことがあったら聞いて欲しい」
そうゼロスさんが言われたが私は特に聞きたいことがないので、コアンさん達のパーティを見た。すると彼等も私と同様のようで特に聞きたいことはないと話していた。
「私達のパーティからは特に何もないです」
「私もコアンさん達と同じです」
「……そうか。それなら少し休憩を取ってから出発する。ただ、集落内を動き回れる冒険者が少ない。そのため、コアン達のパーティと俺とレーナの組み合わせで集落内に居るゴブリンを倒していきたいと思う。この状況でパーティを分割して行動すると危険が高まるかもしれないがその分早く終わると思う。お前達はどう思う?」
「私はどういう風でもいいですよ」
「私としても特に異存はないです。それに元々このパーティで依頼をこなしてきているので大丈夫です」
「それならいいが各々無理をしないように。いいか?」
「「「「はい!」」」」
「……とりあえず、集落の中に入ってから休憩もなくいろいろと忙しかったと思う。此処で少し休憩を取ってから各々パーティでゴブリンの殲滅を行う。少しでも体の疲れが取れるように」
そうして私達は各々休憩をすることになった。
それからしばらく休憩をして私達は二手に分かれて集落内に居るゴブリンの殲滅を開始した。
私達はコアンさん達と反対方向に進んでゴブリンを捜しながら倒していった。ただ、魔法を使って居場所が分かる私としては直接魔物が居る場所に行った方が効率がいい。でも、ゼロスさんに教えるのもどうなのかな? と思い、私がよく使っていることを理由にゼロスさんに提案してみることにした。
「ゼロスさん、少しいいですか?」
「どうした?」
「私、昔から狩りをしていてなんとなくゴブリンが居る場所が分かるのですが、私が先導してもいいですか?」
「そう言えば、以前にも同じようなことを聞いたな……」
私がそう聞くとゼロスさんは以前にも言ったことを覚えていたようで少し考えている様子だった。
もしゼロスさんが私の言ったことをやらせてくれたらこの件に関しては早く終わらせることができるからできれば、許可して欲しいな……。と思いながらゼロスさんの様子を窺っているとゼロスさんが頷いた。
「……分かった。レーナに任せる。ただ、油断はするなよ? 俺も気を付けるが」
と言って許可をしてくれたのでもっと効率よくゴブリンを倒すことができる。と思いながら、ゴブリンがいる場所へと進んで倒していくということを繰り返していった。




