112.作戦へ36
コアンさんの後をついて移動をしていると何度かゴブリンと遭遇した。まぁ、集落の中だし、おそらくリーダー格のゴブリンを倒しただけじゃあ、この辺りのゴブリンが居なくなるわけじゃないからなぁ……。とそんなことを思いながら私と、コアンさんのパーティメンバーで出てくるゴブリンを倒していった。それを何度もこなしているとようやく、目的地に着いたみたいだ。
「あそこです。先ほどの冒険者達もあそこに居ます」
そうして着いた場所は私達が入ってきた場所だった。ただ、最初の時のようにたくさんのゴブリンと戦っているわけではなく、たまに出たら倒すみたいな感じで、門の場所で待機していた。多分だけど、ひと段落したから周囲を警戒しながら休憩をしていたみたい。
そんなことを思っているとゼロスさんが待機していた冒険者達に声をかけた。それから何度か話すとゼロスさんが戻ってきた。
「何かありましたか?」
「特にないようだ。ゴブリンの襲撃も大分落ちついたみたいで今は交互に休憩を取っているそうだ」
。
最初の頃は大変だったと思うけど、今は少し余裕があるみたい。
「それで、連れてきた彼女達だが近くの建物を少し手入れして、休憩所として使っているそうだ。そこで彼女達を寝かせる予定だ」
ゼロスさんはそう言って近くに建っていた建物の扉をノックすると先ほどの助けた冒険者達が出てきた。そして、出てきた人はゼロスさんに気付くと驚きながらもお礼を言って頭を下げた。
「さきほどは助けていただきありがとうございます」
「気にしなくてもいい。元を辿れば私にも責任がある」
「ありがとうございます。それで、背負っている人達はどうされたのですか?」
とそんな会話をしていたゼロスさんが、背負っている彼女に気付いて聞いてきた。
「彼女達はこの集落内で見つけた人達だ。まだ意識は取り戻していないが、おそらく命には別状はないと思う。できれば君達に確認してもらってもいいか? それと女冒険者一人はこの建物に居るようにして欲しい」
「分かりました。私達の方で話し合って決めます。とりあえず、中の空いている場所に彼女達を下ろしてもらってもいいですか」
「分かった」
そう言ってゼロスさん達は建物の中に入って彼女達を空いている場所へと下ろした。
「とりあえず、これでいいか?」
「はい。大丈夫です」
「それなら彼女達のことを頼む」
「任せてください」
そうして私達は建物から出たのだった。




