103.作戦へ27
それからゼロスさんは、彼等と話し合い、パーティ分のポーションを渡していた。まぁ、ギルドでも買えるCランクポーションだけど、ひとまず、それでできる限りの回復をしてもらうようだ。その後も何か話していたようだけど、私が会話に参加するような内容ではないと思い、ゴブリンの作業を進めていた。
それからしばらくして、ようやくゴブリンの魔石回収などが終わった。すると、誰かが私達の方に向かってきていると思ってやってくるであろう角の方を見ていると見知っている人達が飛び出してきた。
「コアンさん?」
そう声を掛けるとコアンさんが慌てて振り返ったがすぐに呆然としていた。
「……レーナさん。もしかして終わりましたか?」
あ、そう言えば、他の冒険者達を任せて、安全な場所まで連れていったら戻ってくると言っていたかもということを思い出した。
「そうですね。一応、彼等の治療もある程度終わっています。コアンさん達はあの冒険者達を安全な場所に連れていけましたか?」
「それなりに安全な場所までは連れて行った」
「どこにですか?」
「門を守っている人達に預けてきました。道中にポーションを飲んでもらったのでそれなりには動けると思いますが無理はしないようにとは言っておきました」
なるほど、確かに、安全な場所としては門を守っているパーティと合流した方が安全かも知れないと思った。ゴブリンがいないところで待機して居てもいつ襲われるのか分からないからね?
そんなことを思っているとゼロスさんがコアンさん達に気付いて、お話をしたかと思ったら、先ほどの冒険者達もコアンさん達が同じ場所に連れて行くことになった。因みにルノジス達の件は、集落が終わってから考えるそうだ。そして、私とゼロスさんはと言うと一緒に辺りを探索することになった。




