102.作戦へ26
ポーションを飲んだ冒険者が淡く光っていることに私は驚いていたが他の人は驚いている様子はなかった。もしかして、体が淡く光るのは当たり前のことなのかな? とそんなことを思いながらその光が収まるのを待っていた。
それからしばらくすると光が収まった。すると冒険者の仲間がポーションを飲んだ冒険者に声を掛けた。
「……どう? 立てそう?」
「た、試してみるよ」
そう言って冒険者が立ち上った。それから怪我をした方の足を動かしたりしながら少し動いたり、跳ねたりした。
「……違和感がない」
「本当に?」
「うん」
そう頷くと話しかけた冒険者がホッとした様子を見せた。すると怪我をしていた冒険者が私の方に近づいてきた。
「高価なポーションだったと思うけど、ありがとう」
「いえ、気にしないでください」
「お前達は気にしなくていい。レーナが持っていたポーション代は俺が責任を持って払う。レーナ、ポーションのことはありがとう。今すぐに払うことはできないがこの依頼が終わって街に戻った際にはちゃんと払う。もちろん買った値段よりも多く払う」
「……その、私はそのポーションを買っていないので値段が分からないのですが」
「え? 買ったわけじゃないのか?」
「ええ、どちらかと言うともらった感じです。詳しくは秘密ですが」
「……分かった。Bランクポーションの相場の3倍は最低でも払おう」
「え? 3倍も?」
「Bランクポーションは入手しにくいものだからな。それに、依頼の最中の緊急時にもらったからな。それ程の価値は少なくてもあるから気にしなくてもいい」
う~ん。いろいろと分からないことがあるけど、とりあえず、たくさんお金がもらえるならいいとしようと思った。そもそも、材料は全部集めたものだから原価なんてほぼただだし……。そう思ってゼロスさんの話を了承した。




