97.作戦へ21
抜けた先では、ゴブリンキングと戦っているゼロスさんと、足を怪我している冒険者とそれをできる限り守るように2人の冒険者がゴブリンと戦闘をしていた。
「君! 1人でそんなところに居たら危ないよ!」
すると戦っていた冒険者の1人が私に気付いてそう叫んできた。確かにたくさんのゴブリンの相手をするなら危険かもしれないけど、このゴブリンの密集地帯を抜けてきたんだけどなぁ……。とそんなことを思っていると、先ほどの冒険者の声が聞こえたのかゼロスさんがゴブリンキングとの距離をとって私達の近くまで下がってきた。
「レーナ、もしかして追いかけてきたのか?」
「一応、言われたことが終わったので……」
「それならあの時の冒険者達は無事なのか?」
「……はい。今は、コアンさん達が安全な場所へと運んでいるはずです」
「そうか……。それなら、そこに居る冒険者達の手助けをしてくれ。無理に連携をする必要はない。彼女達に向かって行くゴブリンの数を減らすように頑張ってくれ」
「分かりました」
私がそう言うとゼロスさんはゴブリンキングとの戦闘に戻った。
……そう言えば、ゼロスさんと話していたときにゴブリンキングは襲い掛かってこなかったけど、どうしてだろう? そう思ってゼロスさんと戦っているゴブリンキングを見るとところどころ大きな切り傷があった。
ゼロスさんには怪我をしている様子はなかったから割と一方的な戦いなのかもしれない。とそんなことを思いながらゼロスさんの指示通りに、冒険者達の手助けをするために、彼女達の方へ進んで行きながらゴブリンを倒していった。




