96.作戦へ20
私は、ゼロスさんがいる方へと移動を始めたが、ゼロスさんが戦っている場所までは、それなりに距離がある。そもそも、ゼロスさんはたくさんのゴブリンが居る場所に突っ込んで、ゴブリンキングと戦っている冒険者の元へ行ったからゼロスのところに行くにはまずはゴブリンの壁とも言えるゴブリンの密集地帯を突破しないといけない。
「流石に、この量を1人で捌くのは厳しいよな……」
と思いながらコアンさん達の方を確認した。すると彼等はちょうど、角を曲がろうとしていたところですぐに見えなくなった。念の為魔法を使って確認すると私が居る場所から離れるように移動をしていた。
「(近くには誰も居ないから多少の魔法を使っても大丈夫だよね?)」
とそんなことを呟きながら、刀に魔力を通した。これで切れ味がかなり上がるから、ゴブリンをより楽に倒せるはず。本来なら、範囲魔法を放って早く終わらせたいところだけど、そんなことしたら後が面倒臭いことになりそうだし……。
「あ、でも、私が今やっていることについても何か言われるかな?」
とそんなことを思ったが、目利きのある冒険者なら武器の材質に気付いて、武器に魔力をながして強化をする程度のことは予想しているかも。と思った。まぁ、何かあったときの為に適当な言い訳も考えておこうかな? と思いながらゴブリンの集団へと切り込んでいった。
それからは、ゴブリンを斬り飛ばしたり、蹴り飛ばしたり、しながらできるだけ多くのゴブリンを倒しながら進んで行き、ゴブリンの密集地帯を抜けた。




