94.作戦へ18
一瞬、私もゼロスさんを追いかけようかと思ったけど、ゼロスさんが他の人を助けるように言ったのでとりあえず、近くにいる人を助けに向かうことにした。
(まぁ、ゼロスさんの後を追いかけようにも今の私じゃあ追いつけないくらい早く走っていたからどうしようもないけど……)
そんなことを思いながら近くに居た女性を助けるべくゴブリンを倒し始めるとコアンさんも手伝ってくれた。他の人達はと言うと3人で別の人の助けに向かっているようだった。
「コアンさんは私の方に来ても良かったのですか?」
「問題ない。彼等だけでも十分に対処できるはずだ。まぁ、レーナもゴブリンを倒すだけなら問題ないとは思うけど、その人を助けるには2人居た方が楽だと思いますよ?」
「確かにそうかもしれないですね。ゴブリンはある程度何とかするのでコアンさんに冒険者の方を任せてもいいでしょうか? 私では、どうしたらいいのか分からないので……」
そうコアンさんにお願いをすると頷いてくれた。
「分かった。冒険者の元に着いたらそうしよう」
そうして、ゴブリンを片付けて行くと、複数のゴブリンに押さえつけられている冒険者のところまでやってきた。よく見ると押さえつけていないゴブリンが怪しい動きをしていた。私は、そのゴブリンから刀で切り飛ばしていき、押さえていたゴブリンを全部斬り飛ばした。そうして、冒険者はゴブリンから解放できたのだが、押さえつけていたゴブリンをそのまま切り飛ばしたので、助けた冒険者がゴブリンの血だらけになっていた。
(……まぁ、とりあえず、無事だからいいよね?)
と見ていなかったことにしよう。とそんなことを思っていると後ろからコアンさんがやってきた。
「そちらの冒険者は無事ですか?」
そう言って近づいてきたコアンさんは救出した冒険者をみるとやや引き攣った顔をしていた。
「……とりあえず、僕が介抱するので後はお願いできますか?」
コアンさんにそう言われたので私は近づいてくるゴブリン達を倒しに行った。




