90.作戦へ14
吹き飛ばされた私は、やや体の痛みに顔を顰めながらも体を捻りなんとか着地することができた。それにしても、ゴブリンに何をされたのだろう? と思いゴブリンの方を見ると、私の近くに大剣が転がっていた。
(もしかして、あの時相打ち覚悟で攻撃を仕掛けてきたってこと?)
仮にそうだとしたら、ゴブリンが私の攻撃を避けようともしなかった理由が今の攻撃だったのかもしれない。まぁ、何とか防げたから良かったけど、倒した直後に気を抜いたのは良くなかったかも……。と反省をしているとゼロスさんが駆け寄りながら私に声を掛けてきた。
「大丈夫か!?」
「あ、はい。特に問題はないです」
「……そうなのか?」
「はい」
まぁ、本当はちょっと手首が痛いのだが、後でこっそりと魔法をかけて治しておこうと思った。
「とりあえず、上位種のゴブリンを倒したはずだ。魔石はしっかりと回収しておけ」
「はい」
そう言って私が倒したゴブリンの場所へと向かった。
「なっ!?」
するとゴブリンを見たゼロスさんが驚きの声を上げた。
「どうかしましたか?」
「……レーナがやったんだよな?」
ゼロスさんは私に確認するようにそう聞いてきた。
「そうですよ?」
と言いながらどうしてそんなことを聞いてきたのだろう? と疑問に思っているとゼロスさんがこう呟いたのだった。
「このゴブリンはゴブリンジェネラルだ」




