82.作戦へ6
それから建物の中を調べたりしながらゴブリンを倒していった。どれほど時間が経ったのかは分からないけど、かなりの数のゴブリンを倒したと思う。多分、パーティ内だけでも、1000近くは行っていると思う。それだけ多くのゴブリンを倒したからみんなやや疲れているようにみえる。まぁ、あくまでも疲れが見られるようになっただけだが……。
「……少し建物の中で休憩をしよう」
するとゼロスさんがそんな提案をしてきたので私達は周囲のゴブリンを倒し切ると他のゴブリンに見つからないようにしながらとある建物の中に入った。
因みにその建物の中にはゴブリンがいないということは私が魔法で確認しているから大丈夫のはず。まぁ、外から入ってくる可能性もあるから気を付けていればそれなりに休憩ができると思う。
それからみんなでゴブリンが居ないことを確認してから休憩することになった。
「……とりあえず、いろいろと調べてどうだった?」
「ゴブリンが寝泊まりしている以外の建物は今のところありませんでした。大きい建物でも、多くのゴブリンがいるだけでしたのでもっと中心、もしくはもっと大きい建物へと向かった方が何か発見できると思います」
「俺もコアンと同じだ」
するとコアンさんのパーティメンバーがそう言うとその他のメンバーも頷いていた。確かにどこも何か手掛かりになりそうなものはなかったよな……。と思っているとゼロスさんが私の方を見てきた。
「レーナは何か気付いたことはあったか?」
「そうですね……」
と言いながらゴブリンと戦ったり、建物の中を調べている際に何かあったかな? と考えてみたがこれと言って思いつかなかった。そもそも、建物の中にはゴブリン以外、寝たりしているのだろうと言う形跡しかなかったし……。とゴブリンのことを考えていたらあることに気付いた。
「中心に向かう程、上位種との遭遇が増えたような気がします」
「そう言われると上位種との交戦やその頻度が上がっているような気がするな。コアンはどう思う?」
「私も上がっているような気がします。ゴブリンの上位種は居て当たり前だと思っていたのでそのことには気付きませんでした」
とコアンさんはそう言った。確かに、ゴブリンの規模を考えると上位種はそれなりにいるとは思うから上位種を発見しても大して驚かないかもしれない。しかもコアンさん達はかなりの場数を踏んでいると思うから上位種がいるのが当たり前とか、普通のゴブリンとさほど変わらないと思うぐらいの実力があるから少し分かりにくかったのかもしれない。とそんなことを思った。
「それなら、この集落の中心に向かって、この集落のリーダー格を叩こう。そこには強いゴブリンも多くいるから他の冒険者達の捜索や守りが楽になるだろう。その分お前達には危険が伴うができる限り互いを援護したりしながら先へと進んでいこう」
とゼロスさんにそう言われたので私達は頷いた。それから、水分補給やお腹を満たしたりしながら出発までの時間を過ごしていた。




