80.作戦へ4
「(油断しているように見えますが一応、気を付けてください。万が一ということもあります)」
とコアンさんに言われた。どうやらこのまま倒すらしい。以前に剣とか槍を持っているゴブリンを倒したことがあるけど、ここまで強そうな感じはしなかった。もしかしたら、武器を持っていたゴブリンなのかな? そして、そこに居るゴブリンが本当の上位種なのかもしれない。とそんなことを思った。
「(それでは行きますが、無理はしないようにしてください)」
そう言ってコアンさんの合図があり、ゴブリンに奇襲を仕掛けた。恐らく上位種のゴブリンだから気を付けながら攻撃をしようと思い。素早く近づいて、手始めにゴブリンの首を目掛けて刀を振るった。すると。ゴブリンは私達の存在に気付いたが武器で身を守ることができずにそのまま首を斬られて倒れた。
「あれ?」
上位種のゴブリンだからもっと強いのだと思っていた私は、こうもあっさりと片付いてしまい少し困惑してしまった。でも、今は戦闘中だと思い、意識を切り替えたのだが残りのゴブリンはコアンさんが倒したようで地面に転がっていた。
「驚きました。普通のゴブリンよりも皮膚などが固いのですが随分あっさりと倒しましたね?」
「私も少し驚きました。多分ゴブリンの上位種だから気を付けないと。と思っていたのにこうもあっさりと倒せるなんて……」
「そうですか……。とりあえず、ゴブリンの処理だけ早く終わらせて他の部屋も調べてみましょう」
そう言って倒したゴブリンを解体して、私達は他の部屋を見て回った。
それからしばらくして全ての部屋を見終えたのだが遭遇したゴブリンはどれもその辺に居る普通のゴブリンだった。てっきり、他にも上位種に当たるゴブリンがいるのかも? と思っていたけど、そんなことはなかったみたい。
まぁ、そんなことがありながらこれと言って収穫もなく、大きな建物の捜索は終わったのだった。




