74.問題発生3
まずは手始めにルノジスの横っ腹を目掛けて刀を振ると『ゴギィッ』という音を立てながら近くの木に飛んで行きぶつかった。
「「は?」」
急な出来事に他の男は呆然としたが2人目も同様に刀を振るった。すると残った男は、流石に何かに襲われていることに気付いたようで声を上げた。
「誰だ!」
今更そんなことに気付いてももう遅いけどと思いながら最後の1人も同様に片付けた。
「ふぅ~。これですぐに逃げられる心配はないかな?」
そう思いながら地面に倒れている男達を見たが意識がないようでピクリとも動かなかった。
「……ちょっと力を入れ過ぎたかな? まぁ、こいつらが原因なんだし気にする必要はないか」
そう思いながら逃げ出さないように武器などを回収して手足を縛った。
「とりあえず、これでいいとしてこいつらをどうやって運ぼうか……」
流石に全員を引っ張って戻るのは大変そう。かといってこのまま置いていって誰かを呼びに行っている間に逃げたりしないかな。とも思うし。どうしようかな。と悩んでいると誰かが近づいていることに気付いた。
一体誰だろう? と思いながらその人物が近くに来るまで待っていると、その人物を視認できる場所までやってきた。
「ゲンツさん?」
そう声を掛けると警戒していただろう雰囲気が和らいだ。
「レーナか?」
「そうよ」
「そうか……」
そう言ってゲンツさんは私の方へとやってきたが、私の近くで手足を縛られて倒れている男達を見て、やや警戒をしながらも困惑した様子を見せていた。




