62.作戦
そうしてゲンツさんがいる辺りに行くとそこには50人ほどの冒険者達が集まっていた。もしかして参加する人は少ないのかな? と思っていると時間が経つごとに少しずつ増えていき60人ほどが集まった。
確かこの依頼に参加している冒険者達が80人程だったから7割強が参加するのか……。ゴブリンの数から行くと多分冒険者達の数が少ないと思う。村と山の方にいるゴブリンはおよそ8000だから1人辺り130匹以上倒さないといけない。
依頼を聞いた当初は1人当たり15匹以上だったことを考えると8倍以上に増えていることが分かる。まぁ、待機組も馬車を守るためにゴブリンを倒すから実際はもう少し少なくなると思うがそれでもかなりの数を倒さないといけないなぁ……。とそんなことを思っているとゲンツさんが台の上に立った。そして辺りを見渡してから話し始めた。
「ここに集まっている冒険者達がゴブリンの集落討伐に参加してくれる冒険者達だ。ゴブリンの数は極めて多い。上位種と言われるゴブリンも多数いるはずだ。まぁ、ここにいる冒険者達のほとんどは普通の上位種でも問題なく倒せるメンバーも多いと思う。だが、規模が大きい以上、ゴブリンキングが居る可能性が非常に高い。もし発見した際は無理に倒さないで倒せる実力がある者を呼ぶようにしてほしい。ただ、状況によっては戦闘を回避できない場面もあると思う。その場合は他の場所に行かないように足止めに努めて、可能なら討伐をするように。ただ、無理は命取りになるから気を付けてくれ。いいか?」
そう言われたので私は頷くと近くに居た冒険者達も同様に頷いていた。恐らく他の冒険者達も似たような行動をとったのだと思う。ゲンツさんが辺りを見渡して頷いていたから。
「……次に、襲撃はいつ仕掛けるかと言うと今夜の予定だ。ただ、時間的にはもっと暗くなってからの予定だ。目安としては見張りに使った砂時計で6時間後の予定だ。それまでは体を休めるなり、武器の手入れをしたりと言ったことに努めてほしい」
「作戦とかも決まっているのか?」
「ある程度は決まっている。基本はパーティごと、もしくは臨時パーティごとに分かれてゴブリンの街の入口3つから侵入してもらう。その後は入口を守る者と中でゴブリンを倒す者に分かれてひたすらゴブリンを倒してもらう予定だ。町の制圧が終わったら、交代で休憩を取りながら街の中を調べてもらう。そして、それが終わったら山の方にあるゴブリンの集団を倒す予定だ」




