61.報告4
私はゲンツさんの元に行くとゲンツさんは私が来たことに気付いた。
「どうした?」
「私は、参加します」
私がそう言うとゲンツさんの顔つきが変わった。
「……危険だということは分かっているのか?」
「はい」
「ユアは行かないのか?」
「彼女は行かないそうです。実力的には不十分だからということで」
「それは、レーナにはそれだけの実力があるということか?」
「1人で戦う分には実力があると思っています」
「1ではなかった場合は?」
「ユア以外と一緒に戦ったことがないのでわかりません」
「……そうか」
というとゲンツさんは何やら考えているようだった。するとゼロスさんが私達の方にやってきた。
「……ゲンツさん何を考え込んでいるのですか?」
そう声を掛けるとゲンツさんが顔を上げた。
「ゼロスか。……レーナがこの戦いに参加すると言ってな。ゼロスは嬢ちゃんの実力をある程度把握しているのだろ? ゼロス的にみて嬢ちゃんはどんな感じだ?」
「そうですね。実力的には問題ないと思いますよ? おそらくこの集団の中で真ん中より上の実力はあるかと。ただ人との関りには不慣れな点があるみたいですが……」
……ゼロスさんとはちょっとした知り合いくらいなのに結構私のことを把握していて少し驚いた。それにしても、この集団の真ん中より上の実力があるのかな? と少し疑問に思った。
「私にそこまで実力がありますか?」
「ああ、オークを単独で倒せるなら大したものだ。いくらCランクパーティでも、単独で倒せる奴は半分も居ない。もしかしたら3分の1くらいかもしれない。そう考えたらレーナの実力は少なくても真ん中より上くらいはあるはずだ。まぁ、経験の部分が少ないから絶対とは言えないが……」
「そうですか」
と言いながらオークが単独で倒せる冒険者思ったよりも少ないことに驚いていた。オークはDランクの魔物だからてっきりDランクの人でも単独で倒せるものだと思っていたから……。
「分かった。レーナの討伐参加は認めるがかなり危険な依頼であることは理解して行動をするように」
「分かりました」
「とりあえず、後で参加冒険者を集める予定だが一応、近くで待機してくれ」
「はい」
そうして他の冒険者達の参加、不参加が決まると、討伐に参加する冒険者に声が掛かったのでゲンツさんのところへ向かった。




