59.報告2
そうして私の知りえた情報を話しているとゲンツさんの表情が次第に厳しくなっていった。そして話し終えると確認の意味を込めてなのかこう言ってきた。
「その話は本当か?」
「私が見てきたことに関しては本当です。予想した部分はゴブリンの動きを見てなので確実とは言えませんが近しいことはあると思います」
「そうなのか。それにしても、多くの情報を持ってきたなぁ。ほとんどの人達は最初の偵
察メンバーと同じようなことしか調べられなかったと言うのに……」
「え?」
ゲンツさんの言った内容に驚いていると横からゼロスさんがこんなことを言ってきた。
「普通はレーナの嬢ちゃんみたいに危険を冒してまで情報を仕入れることは少ない。偵察をするほとんどの人はできる限り近くまで確認をしに行くくらいだからな」
「私も、そこまで危険を冒していませんよ? 大丈夫な、範囲でしか調べていないので」
そう言うとゲンツさん達はやや困った顔をしていた。え? 私何か変なことでも言ったのかな? とそんなことを思っていた。
「そう言えば、他の偵察組がコアン達と同じ最初の偵察メンバーを発見した」
するとゲンツさんが思い出したかのように私にそんなことを伝えてきた。
「それは良かったですね。でも、なぜ、今教えてくれたのですか?」
「それは、お前がいない間に他の冒険者には伝えたからだ。だから一応伝えた」
「なるほど。それじゃあ、最初の偵察組は全員集まったということですか?」
「まだ、もう1組いるはずだ。今のところまだ合流できていないが……」
とゲンツさんはそう言った。私はてっきり、最初の偵察組は合流ができたのだと思ったがまだいるらしい。それなりに探していると思うけど、まだ合流できていない人達は本当に大丈夫なのかな?
「その人たちも大丈夫なのでしょうか」
「私からは何とも言えない。ただ、この掃討作戦をしていればどこかで会うことにはなるだろう。とりあえず、偵察の件はご苦労だった。これから今後の予定を決める。予定が決まり次第、冒険者達を集めて説明をするそれまではゆっくり過ごすといい」
「分かりました」
そうして私はその場を離れて馬車へと戻った。それからユアと一緒に夕食を食べて休んでいると、ゲンツさんが冒険者達を集め出したので私達もゲンツさんの元へと向かった。




