53.偵察5
そうして馬車の方へと歩き出そうとしたら、ゲンツさんに呼び止められた。
「レーナ、少し待て」
「何でしょうか?」
とゲンツさんの方へと振り返るとゼロスさんと少し何かを話してから私の方に向き直った。
「いろいろあったが1人で偵察することになったが本当に大丈夫なのか?」
すると先ほど話していた件について話してきた。まぁ、1人でも大丈夫だということはいろいろと話したがまだ不安のようだ。
「大丈夫ですよ」
「……そうか。とにかく無理をするようなことは無いように」
「はい」
「それと何かあった際はゼロスを頼るように」
「ゼロスさんですか?」
今回の偵察には参加するとは聞いていないけど……と少し疑問に思った。
「そうだ。少し他にも用事があるからすぐには参加しないが後から偵察に行ってもらう予定だ」
「そうですか」
「何だったら、ゼロスが来るのを待ってから一緒に偵察に行ってもいいし、後から、合流して一緒に行動してもらっても構わない」
う~ん、ゼロスさんとか……。ゼロスさんが強いのは分かるけど、うまく行動が出来るのかは別問題なんだよね。それにいろいろと隠していることもあるから少し動きづらそう。
「……大丈夫です。1人でやります」
「……そうか、別に無理にとは言わん。ただ、無事に戻って来るように」
「分かりました。それでは……」
そう言ってゲンツさん達と別れて馬車へと戻った。そして、準備を済ませるとゴブリンの集落があるという場所へと向かって歩き始めた。




