49.偵察
それから日が昇り少したった頃、ゲンツさんが冒険者に集まるように指示を出した。そうして冒険者達が集まると辺りを見渡してから話し始めた。
「今日はゴブリンの集落の偵察を行う予定だ。だが、偵察を行うのが得意でないものや戦闘面でやや不安がある者もいるだろう。そう言ったものは参加しなくても問題はない。だが、そうでないものは可能な限り参加して欲しい。今、相談して決めても構わない。参加する者はこの場に残り、そうでないものはこの辺りの見張りを任せる。ゴブリン等が入ってこないようにしっかりと取り組んでくれ」
そう言うとパーティごとに話し合いを始めた。
「レーナちゃんは、どうする予定なの?」
「私は、参加するよ? そう言うことは割と得意だと思うし」
まぁ、魔法とかもあるけど、山での狩りの経験があるから気付かれないように行動したりすることは割とできるし。
「そ、そうなんだ。……私も一緒に行った方がいいかな?」
「ユアは、無理して付き合う必要はないよ。ユアが一緒に行きたいのならいいけど、集落に近づくほど危険度が上がるから戦闘面で厳しくなることも考えてね?」
「……分かったの。私はここに残る。レーナちゃんは無事に戻ってきてね?」
「もちろん」
そう言うとユアはこの場を離れて馬車の中へと消えて行った。さて、どれくらいのメンバー残るのかな? と思いながら他の冒険者達を見ていたがほとんどのパーティは戻って行った。まぁ、ただ戦えればいい訳じゃないからあんまり残らないわよね……。
そうして残ったメンバーは私以外に2パーティと、偵察ができるであろう8人だった。




