47.見張り2
そうして見張りの交代時間になったが見張りをしていたメンバーが戻って来る様子がなかったのでちょっと様子を見に行くことになり、魔法を使って調べると割と近くに見張りと思われる冒険者を発見したので近くに行ってみると大量のゴブリンを処理していた。その様子にやや驚きながらもゲンツさんが近くに居た冒険者に質問した。
「……こんなにもゴブリンが来たのか?」
「え? あ、はい! そ、そうです!」
すると急に声を掛けられたことに驚きながらもそう言った。
「そ、そうか……。他のメンバーは?」
「えっと、別の場所で同じように作業をしているかと……」
「それは1人でこんなに倒したのか?」
「いえ、パーティでです。ただ、一度に多くのゴブリンが何度も来たので落ち着いた今、分かれて作業をしています。そこまで離れていない場所に他のパーティメンバーがいます」
そう言われるとある程度離れたところにぽつぽつの反応があった。でも、その人達がいる場所にこれだけの数のゴブリンが居たのだとすればかなりの数を倒したことになる。
「もしかして、見張りの間ずっと戦っていたの?」
「そ、そんなことはないわ。ただ、少しずつ見かける時もあればこのようにたくさん出てくることもあって……」
なるほど……。集団だと、ユアには少し厳しいかもしれない。ここに倒れているゴブリンの数は少なくても30以上はある。それが一度に現れたのなら、ユアには処理しきれないと思う。今のユアの実力だと10なら、何とか相手にできる感じだから……。
「分かった。レーナとユア、今回は2人で見回るようにしてくれ、もし、たくさんのゴブリンを相手にできなければ、近場の冒険者でもいいから助けてもらうように頼め。分かったか?」
「はい」
「わ、分かりました」
それからゲンツさん達と少し話してユアと一緒に見張りをすることになった。




