44.今後について2
冒険者達が集まり、偵察メンバーから聞いた内容を説明すると闘志を漲らせるものや、険しい表情をしている者もいた。ただ、一部の冒険者達は顔色が悪くなっていた。
前者に関しては、気落ちはほとんどないからゴブリンの掃討作戦も特に問題なく当たれると思うけど、後者についてはおそらく問題になるかもしれない。と思った。
後者の人達はおそらく、かなり危険な依頼になって恐怖を感じているのだと思う。まぁ、全く感じない人はいないと思うけど、そう言った人達はちゃんと動くことができるのかが個人的には不安だ。もしかしたら、恐れをなして逃げ出してしまう可能性があると思うからだ。
「(私の予想通りにならないといいなぁ……)」
そう呟きながら溜息をついているとユアが心配そうに私のことを見ていた。
「気にしないで大したことはないから」
「でも、不安そうにしていたから」
「まぁ、そうかもしれないけど、自分のことじゃなくて他の冒険者に対してちょっと不安に思っていることがあっただけ」
「? どういうことなの?」
「簡単に言うとちゃんと戦えるのかな? と不安になる人達がいただけだよ」
「……みただけで、そんなことが分かるの?」
「う~ん。まぁ、そんなところかな? でも、あくまでも私の見方的にだよ?」
「分かったの。でも、依頼を受けているからちゃんと戦うと思うよ?」
「普通はそうかもしれないけど、不安定な状態でいると無理だと思った際には逃げ出しちゃおうと思うよ?」
とそんなことをユアと話しているとゲンツさんは偵察メンバーから入手した情報の説明が終わったようだった。




