43.今後について
「そうか……」
コアンさんの話を聞いたゲンツさんは難しい表情をしながらそう呟いた。最初にギルドで聞いた話とは大分異なっているからそうなるのは仕方ないと思った。
そもそも最初に聞いた話だと、廃村に住み着いていて規模は1000以上だということだったから……。それが町規模になって5000は居ると言われるとね……。最低でも一人50匹は倒さないといけないことになる。そんなことを思っているとユアが私の袖を引っ張ってきた。何だろうと思ってユアの方をみると不安そうな顔をしていた。
「どうしたの?」
「……今回の討伐は大丈夫なの?」
「それは分からないわね。はっきり言えることはかなり難しい依頼だろうとしか……」
「そう、だよね……」
「まぁ、そこまで気にすることはないと思うよ? 少なくても私達のランクは低いから危険な場所で戦闘をする可能性はかなり低いと思うし……。でも、馬車の護衛でもたくさんのゴブリンとは相手をすると思うからそれくらいは覚悟しておいた方がいいわ」
「……分かったの」
「あとは、作戦次第かな?」
そう言いながら私はゲンツさんとゼロスさんをみた。
まぁ、規模と冒険者達の数から考えるとやっぱりかなり厳しいだろうなぁ……。そもそも100人ほどで達成できる依頼なのか疑問だし。最悪、瓦解して敗走することも考えて行動をしないと。とそんなことを思っていた。
それからしばらくして、ゲンツさんとゼロスさんは偵察メンバーからの情報を冒険者達に共有するために、近くに居た冒険者に集まるように指示をだした。




