36.偵察メンバーの捜索
森の中は所々雪が積もっていて足場がかなり悪い。ただ、そのかわり、地面に分かりやすく足跡が残っていた。
「この足跡はゴブリンだな。それも数が多い。少なくても10匹以上で行動している可能性が高い」
するとゲンツさんがそんなことを言った。
「この足跡で行動しているゴブリン数が分かるのですか?」
「あぁ、今はギルド職員だが昔は冒険者だったからな。これくらいのことならある程度分かる」
「当時のゲンツさんはこの辺では有名な冒険者だったんだ。Bランク冒険者でかなり強かったから俺も世話になった。魔物についても詳しいし、足跡からいろいろな情報を理解する凄い人だよ」
ゼロスさんはゲンツさんのお世話になっていたのか……。ゲンツさんも結構強いということは何となく分かる。ゼロスさん並みに強いように感じるから。
「昔の話はよせ。だが、あのときの餓鬼が今ではBランク冒険者だからな」
「まぁ、いろいろと経験してきましたから」
とそんなことを話していると近くに何かが居る気配がした。多分ゴブリンかな? と思いながら魔法で確認すると15匹いるようだった。
「15か……」
「?」
すると近くに居たゼロスさんには私の声が聞こえたようで一瞬首を傾げていたが近くにいる魔物には気付いているようで剣の柄を軽く握っていた。
それからゴブリンが現れたがゴブリン程度では手こずるなんてことはなく数分も経たないうちに戦闘が終わった。




