34.野営8
朝食を食べた後は、他の冒険者の準備ができるのを待った。そして、準備ができたら、早速出発をした。
その後ゴブリンとの戦闘を何度か繰り返しながら休憩を取って進んでいき、日が沈んできたので野営の準備をすることになった。
因みにゴブリンとの遭遇率はかなり上がり、移動中に私が倒したゴブリンの数は50を超えていた。他の人もそれなりに倒していたのでかなりの数のゴブリンが倒されたと思われる。まぁ、ゴブリンが尽きる様子がないからゴブリンの集落付近ではどうなるのだろうか……。
そんなことを思いながらユアとゼロスさんに声を掛けて今日もご飯になる獲物を探しに森の中へと入った。
森の中に入ると昨日と違い魔物の数が多かった。まぁ、魔物の数が多くてもほとんどゴブリンなので大したことはないのだがその代わり昨日狩った獲物の反応は全くなかった。
「こんなにゴブリンが居るのなら仕方ないか……」
そう思い、ウルフとかいないかな? と思い探してみようとしたら何かが接近してくる気配がして武器を構えると茂みからウルフが出てきた。探す手間が省けてラッキーと思い襲い掛かってきたウルフの頭をサクッと切り飛ばした。
「とりあえず、今日はこれでいっか」
そう思い手早く血抜きをして肉と皮に分け、皮はアイテムボックスにしまって肉は適当な大きさの袋に入れ、それを背負って野営地へと戻った。
野営地に到着するとなるべく人目につかないようにして馬車へと戻った。私が乗ってきた馬車に着くとそこでは火を起こして暖を取っていたゼロスさん達がいた。
「あ、レーナちゃん」
「お、今日は早く戻ってきたな」
そうユアとゼロスさんが声を掛け来た。
「今日はうまく発見できなかったので代わりにこれを狩ってきました」
そう言って持ってきたものをみんなの前に置いて広げた。
「……レーナちゃんこれは何のお肉?」
「ウルフだけど?」
「え? こんな短時間で狩って解体をしてきたのか?」
するとゼロスさんが驚いた様子で訊ねてきた。
「別に驚くようなことじゃないと思うけど……」
とそんなことを言いながら昨日と同様にお肉を焼いてくのだった。ただ、ゼロスさんとゲンツさんはしばらくの間呆然としていたがお肉が焼けた匂いで我に返ったようだった。ただ、お肉を食べたときに「本当にウルフの肉だ」と呟いていた。




