32.野営6
鶏肉を食べたゲンツさん達はおいしいと言っていたが、何より胡椒を使っていたことにとても驚いていた。まぁ、胡椒は高いものだからだよね? それとも私が胡椒を持ち歩いていることかな? とそんなことを思いながらみんなで鶏肉を食べた。
その後、周囲を警戒したりしながら、夜の見張りの人達が見回るようになってから私達は眠りについた。
翌日
まだ暗い時間だったがおそらくいつもと同じくらいの時間に目が覚めた。他のみんなはまだ寝ているようだったので、外の様子を見ると見張りをしている人達がちらほらと見えた。あとどれくらいで交代なのかな? と思い、砂時計が置いてある場所へ見に行くとあと少しで落ち切りそうな感じだった。
「あと少しは分かるけど、細かい時間が分からないのよね……」
とそんなことを思いながら、実際にはあと何分くらいあるのかは不明だが軽く体をほぐしながら待っていると私が乗っていた馬車から誰かが下りてきた。誰だろう? と思ったら出てきたのはユアだった。
「レーナちゃん、おふぁよう」
「うん。おはよう。他の人達はまだ寝ているの?」
「多分?」
どうやらゲンツさん達はまだ起きていないらしい。まぁ、ゲンツさんが言ったことだから流石に砂時計の砂が落ち切る前には起きてくるんじゃないかな? と思いながら軽く体を動かして待っているとゲンツさん達が下りてきた。
「馬車の中にはいなかったが、もう、起きていたのか?」
「まぁ、いつものことだから」
「そうか、とりあえず、もう少ししたら見張りの交代だが夜の敵は見つけづらいからふいうちは気を付けるようにして見回りをするように」
「分かりました」
「はい」
と返事をしてしばらくした頃、砂時計の砂が落ち切り見張りの交代時間となった。




