28.野営2
他の冒険者を待つこと10分程。最後のパーティも野営の準備を終えた。予想以上に早く集まったことに驚きながら外の様子を窺うとテントがいくつも張られていた。もしかしたら冒険者にとって野営はよくやる行為なのかも? とそんなことを思っているとゲンツさんは集まった冒険者を見渡した。
「それでは夜の見張りについてどのように回すかを説明する。まずこれを見てくれ」
そう言ってゲンツさんが砂時計みたいなものを取り出した。
「このアイテムを知っているものは多いと思うが一応、説明しておく。これは魔道具で、小型化された砂時計だ。この大きさで2時間計ることができる」
ゲンツさんが持っているものは10センチほどの大きさの砂時計だから2時間も計れるのは凄いかもと思った。普通の砂時計ではそんなに長い時間は計れないと思うし……。でも、それくらいの長さが計れるのなら見張りの交代時に使うには便利なアイテムかもと思った。
「まぁ、想像がつくと思うが夜の見張りはこの砂時計をひっくり返して空になるまでの間だ。それを4交代で回す。予定としては馬車ごとを1つのグループとして2グループで見張りを行ってもらう。それを一日ごと交代で行うからそのつもりでいろよ?」
ゲンツさんがそう言うとほとんどの人が頷いていたからおそらく大丈夫だと思う。まぁ、見張りの説明が終わっただけで、どこから見張りを行うのかはこれから決めるのだが……。
そんなことがありながら話し合いをして見張りの順番を相談するのだった。
パーティごとに意見をまとめてもらってから全体で話し合った結果そこまでもめることなく見張りの順番が決まった。因みに私達は今日の4番目つまり最後に見張りをすることになった。まぁ、私としてはいつでもいいけど、最後の見張りならいつも起きている時間よりも遅そうなので地味にいい順番かもしれないと思った。




