25.休憩2
昼食を食べ終えたあとはまた馬車でも移動になるため、軽く体を動かしていたが少し離れた場所でゴブリンが出たみたいでちょっとした戦闘が2度ほどあった。ゴブリン自体はすぐに処理ができたみたいだけど、血の臭いが辺りに少し漂っていた。するとゲンツさんは近くに居た冒険者達に各パーティリーダーを集めるように伝令を出した。
それからしばらくして大体のパーティリーダーが集まった。まぁ、集まっている間にも何度かゴブリンとの戦闘があったけど……。
「先ほどゴブリンとの戦闘があった。まぁ、知っているものも多いと思うがこの辺りに少しゴブリンの血の臭いが漂っている。こうやってお前達が集まるまえの間にも何度か戦闘があった。そこで先ほどの休憩よりも短いが移動をすることにした。何か意見がある者はいるか?」
ゲンツさんがそう言うとほとんどの冒険者が顔を見合わせて仕方なさそうにしていたがその中で一人の男が気に食わなさそうに顔をしていた。そう、昨日私に絡んできたルノジスだ。
「ふん、別に気にする必要はねぇ。どうせ倒す敵だ。どれだけ湧いてこようが雑魚は雑魚でしかない」
「そう言うのだったらちゃんとゴブリンの処理をしてくれ」
その話を聞いて、ゴブリンの血の臭いが漂っていた原因がこの男だということを知った。一応、魔物を倒したマナーとして死体もしっかりと処理をしないといけないのだがこの集団行動をしているときにそんなことをしないのはかなりの問題行動だ。
「ふんっ」
するとルノジスはそんなことは知らないと言いたげな感じで鼻を鳴らした。それに対してゲンツさんは厳しい視線を彼に向けていたがルノジスは知らないと言いたげな顔をしていた。
……どうしてこんな人が依頼を受けているの? と思ったが、それだけ今回の依頼では戦力が必要だったのかな? まぁ、こんな性格の奴等は当てにしない方がいいと思う。不利になった途端すぐに逃げ出しそうだし……。
「……とりあえず、今から移動を再開する。各々準備を整えたら報告しに来てくれ」
そうして冒険者達は出発の準備を始めた。




