24.休憩
ゴブリンの集落に向かっている道中はたまにゴブリンと遭遇したが大した相手じゃなかったので瞬殺して終わると言った感じで進んでいた。まぁ、ほとんど私とユアで倒したからゼロスさんが戦闘に参加することはなかったが。
そんなことがありながら一度休憩を挟んで進んでいき、お昼頃になると馬車が停められそうな場所でお昼休憩をすることになった。
「ここで、お昼休憩とする! 各自支給物資から昼食を摂るように! ただし、考えなしに食べると道中で食料が尽きるから気を付けるように!」
ゲンツさんがそう言うと冒険者達は頷いて各々の馬車の中や近くの木に腰を掛けて休憩を始めた。
「それじゃあ、私達もお昼にしようか?」
「うん!」
そうしてギルドから支給された袋を手に取り、干し肉やパンを取り出した。
「そう言えば飲み物がないような……」
「本当だ」
飲み物がないとかかなり致命傷だと思うのだがどうなっているの? と思っていたらゼロスさんが樽を叩いた。
「これが水だ。だから心配しなくていい」
そう言って樽を開けると満杯に入った水があった。
「これだけあれば結構持ちそうね」
「ああ、一応3つ積んである。他の馬車はもう少し多いが」
ゼロスさんはそう言いながら水を汲む桶? みたいなものを差し出した。まぁ、人が多いから樽の量が多いのは当たり前よね……。とそんなことを思いながらゼロスさんから桶を受け取り自身の鞄から水筒を取り出した。そこに満杯になるまで水を入れてユアの隣に腰を下ろした。
ユアはというと持ってきた水筒に既にお水を入れてきたみたいだった。どうやら私よりもしっかりと準備をしていたみたい。でも、私の場合は魔法で水が出せるからわざわざ空っぽでも問題はないのだが……。
そんなことがありながら私達は昼食を食べたのだった。




