10.とある男達
それからしばらく待っているとぽつぽつと冒険者の人達が中に入ってきた。ただ、入ってきた冒険者の人達は私達を見てやや怪訝そうな顔をしていたが特に絡んでくることはなく適当に座り出した。
とりあえず、絡んでくる人はいなさそうねぇ。とそんなことを思いながら待っていると、ある3人組の男達が私を見るや一人がやや殺気だって私の方へと歩いてきた。
どうして私をみてこっちに来るの? と思いながら男達の方を確認したけど、見覚えがない。おそらく初対面のはず……多分。そんなことを思っていると殺気だっていた男の人が私の前へとやってきた。他の男達は私の背後に立っている。
「おい、お前」
と男に見下ろされながら声を掛けられた。何だか感じの悪い人だなぁ。と思いながらもやや声に聞き覚えがあるような気がした。まぁ、気のせいかもしれないけど。
「……何ですか」
「お前に借りを返そうと思ってなぁ? 弱そうなくせにこの依頼を受けやがって」
「依頼に関してはギルド職員に許可をもらいましたよ? あと、借りを返すって何のことですか? 初対面の人にそんなこと言われても困ります」
そう言うと男の人の顔が怒りに歪んだ。後ろに居る人も同様に私のことを睨めつけてくる。もしかして本当に初対面じゃないってこと?
「クソガキが! 調子に乗るんじゃねぇ! てめぇのせいでどれだけ金がかかったと思っていやがる!」
「何が? そもそもどこであなた達と会ったわけ?」
「ふざけんじゃねぇ!」
すると男の人が切れてとうとう私に殴りかかってきた。




