7.お話を聞く
それにしても、1000匹以上もゴブリンが居るのが確認できたのに以前はなぜ発見できなかったのだろう? とそんなことを思った。あの時はオークが原因だったということで終わったけど、その時にはゴブリンの集落ができていたのでは? と思う。
「それにしても、それだけの規模なら以前、ゴブリンの数が増えて調査した際、なぜ見つからなかったのですか?」
「それは……おそらくになりますが、オークがゴブリン集落に現れて、ばらばらに散らばったのか、まだ、そこに住み着いていなかった可能性があります」
「……どうしてそんなことが言えるのですか?」
「……調査報告になりますが、ゴブリンの集落が発見された場所には壊れかかった家屋がいくつもあったという報告がありました。ただ、周囲のゴブリンの目撃情報は少なくゴブリン達がそこを使用していると断言できなかったので集落としては確認されていませんでした」
「……なるほど」
調査したときにはその場所にはあまりいなかったのか……。もしかしたらたまたまゴブリン達が集まって集落を形成したという可能性もあるのかな?
「現在は緊急依頼が出されて明日討伐に向かうそうです」
まぁ、緊急依頼だから明日には出発するよね……。私もその依頼に参加できるかな? と思いエレナさんに聞いてみることにした。
「因みにですが、その依頼の参加条件はどうなっていますか?」
「それは、ゴブリンの集団戦闘ができることが条件でランク等の制限はありませんが、もしかして参加をするつもりですか?」
「まぁ、条件を満たしているのならそのつもりですが……」
「レーナさんには問題はないと思いますがかなり危険な依頼になりますよ? 本当に受けるのですか?」
「はい」
「わ、私も受けたいです」
するとユアがそんなことを言った。
「え? ユアさんですか……」
するとエレナさんもそのことには驚いたみたいで少し悩んでいる様子だった。もしかしたら以前のユアのことがあるから依頼を受けさせてもいいのか悩んでいるのかもしれない。一応、ユアはある程度のゴブリンの集団戦闘もできるから問題ないと思うけど、エレナさんがどれくらいの集団戦闘を想定しているかにもよる。
「多分大丈夫だと思いますよ? 最近は5匹以上のゴブリンとも戦っても問題ないくらいには腕が上がっているから」
「それなら、受けれなくはないですが、かなり危険な依頼になりますよ? 本当にいいですか?」
「は、はい!」
「……分かりました。ユアさんの依頼の参加を認めます。ただし、今回はかなりたくさんのゴブリンと戦闘になるため比較的戦闘が少ない場所に配置される可能性が高いです。つまり、レーナさんとは一緒に行動できない可能性もありますがそれでもよろしいですか?」
「は、はい」
「分かりました。それでは依頼の参加を許可します。詳しい説明はお昼頃、会議室で行うのでギルドに来てください」
「「分かりました」」
と言って私達はギルドを後にした。




