6.ギルドの異変
翌朝
いつも通りユアと一緒に冒険者ギルドに行ってこなせそうな依頼を探そうと中に入ると中に居た人達が慌ただしそうに動いていた。
「何だかいつものギルドと様子が違うわね……」
「た、確かに、何かあったのかな?」
とユアと話をしながら歩いているとたまたまエレナさんに出くわした。
「あ、エレナさん」
そう声を掛けるとエレナさんが振り返り私達の方をみた。
「レーナさんとユアさん。どうかしましたか?」
「いや、そのギルドの様子が慌ただしそうだったから何があったのかな? と思って……。エレナさんは何か知っていますか?」
「ええ、まぁ……」
するとエレナさんの顔色が曇った。もしかしてよくないことが起こったのかも。とそんなことを思いながらやや身構えていると、エレナさんは何があったのかを説明してくれた。
「昨日の夕方頃に捜索隊に入っていた冒険者が急いで戻ってきました」
「え? もう戻ってきたの?」
「はい。それもあまりよくない理由で戻ってきました」
つまり、ゴブリンが多く出てくるようになった理由が分かったということだ。
「……やっぱり街から少し離れたところにゴブリンの集落でもできましたか」
「レーナさんの言う通りです。ですがその集落の規模が問題でして……」
「集落の規模?」
「はい」
「……因みにどれくらいですか?」
「少なくてもゴブリンは1000匹は居るそうです」
「せ、千……」
すると横で話を聞いていたユアが驚いた声を上げた。まぁ、私も驚いては居たけど、私達が一日で倒したゴブリンの数から考えるとそれくらいの規模があっても仕方ないかも。と思った。ここ最近ゴブリンだけでも一日に50匹以上は狩っていたから……。




