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・・・自由に生きよう!  作者: 夜叉神
第二章 森の異変
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15.まさかの出来事 (2021/8/27)



「始め!」


 合図があるとオノマは、私の方に向かって走ってきた。そしてそのまま私の顔を殴ろうとしてきたのでそれをあっさりと躱して距離を取ると彼は驚いていた。


「当たらない、だと?」


 普通正面から殴ろうとして来たら避けるでしょ? それが当たると思っているのは、どうかと思うけど? しかもあの程度のスピードで……。もしかして、私程度ならそれくらいで何とかなると思われているってこと? それは、それでムカつくけど。


 そんなことを思っているとオノマは、もう一度私に近づいては、何度も殴ろうとしてきたが余裕をもって躱していく。躱していくたびに攻撃が当たらないことに彼は、次第にイライラしていった。しかも疲れてきたみたいで少し息切れをしている。というか体力ないわね……。


「くそ! 避けるんじゃねぇ!」


 と言いながらも拳を振るってくる。いや、何を言っているの? とそんなことを思いながら彼の拳を避け続けていると攻撃がやんだ。


 今度は、何をするのかな? そんなことを思っていると足を振り上げた。今度は、蹴りで来るのかな? と思ったけどそれにしても距離がある。するとぬかるんでいる地面を蹴って泥を飛ばしてきた。なるほど彼にしては、考えているかも? とどうでもいいことを思いながら顔にかかりそうな泥を腕で守る。すると彼が近づいて殴ろうとして来た。


 今度は、避けることをしないで彼の拳をいなしながらそのままで腕を掴み、足を引っかけてその場で転がした。


「うわぁ!」


 と言って背中から盛大に転んだ。すぐに起き上がったけど背中は、もちろん泥だらけ。


「やりやがったな!」


 と顔を赤くしながら切れた。すると彼は、剣を抜いて私に切りかかって来た。


「武器禁止じゃなかったの?」


「許さん! 絶対に許さん!」


 と私の聞いていることを無視して一瞬私の背後を見てまた私に視線を向けて来た。どうしてこのタイミングでよそ見を? と思ったら剣で切りかかって来たのでそれを避け続けて槍を置いた場所に近づいて視線を向けるとそこには、槍が無かった。え? と思って辺りを見渡すとブラッドが私の槍を持って離れていた。もしかしてさっき視線を離した理由は……と気付いたがもう遅い。


「私の武器を持っていくな!」


 そう叫んだが彼は、気にしないで離れていく。そう言えばユアは? と思ったらメンデスに口を押えられながら引きずられていた。こちらに向かって何か言おうとは、しているがモグモグといった感じで何も聞こえない。すると後ろから近づいて来る音がしたので咄嗟にその場にしゃがむとその上を剣が一閃。


「ッチ、避けやがって」


 するとそのまま縦に振ってきたので私は横に避けて距離を取る。とりあえずこいつを倒して早く彼等を追いかけないと。そう思っていると今度は、斜めに剣を振ってきた。私は、それを側面から蹴りを入れて剣の軌道をずらした。


「お! っと」


 と言ってオノマのバランスが崩れそうになってそのまま地面に剣が刺さる。私は、剣を握っている手を目がけて蹴りを入れた。すると少し鈍い音とともに彼が悲鳴を上げた。


「痛っ!」


 そう言って剣の柄から手を放して痛がっている所を背後に回り背中を蹴ると正面に倒れた。彼は、手で何とか顔を庇おうとしたけど私は、その彼の背中に目がけて踵落としをした。「ドン、ベチャ」という音を立てて倒れたオノマをそのまま踏みつけた。それから私はブラッド達の後を追いかけるのだった。


 それから、しばらく走っているとようやくブラッド達がみえてきた。


「待ちなさい!」


 するとブラッドは、後ろを振り向き驚いた表情をしてそのまま逃げ続ける。しかし彼は、走るのが速くないためそのまま追いかけて行くと徐々に追いついていく。すると彼は、途中で走るのをやめて私の方を向いた。何かあるかもしれないから一応少し離れたところで止まる。


「私の武器を返しなさい!」


「これは、あんたの武器じゃないから関係ない!」


「はい?」


 え? 何言っているの? それ私が持っていた武器だよね? と思いながら彼を見る。するとブラッドはにやりとしてとんでもないことを言い出した。


「これは、木の根元に落ちていた武器だ。誰の物でもないから俺が拾った。だからこれは、俺のものだ」


「それは、決闘をしろ。と言った人が武器を置けと言ったから置いただけで、落ちていたものじゃない」


「俺が手に入れたものを盗もうとするな!」


「それは、あんたでしょ?」


 と呆れながらそう言い返した。盗もうとしているのは、明らかに彼なのに……。そんなことを思っているとブラッドの近くの茂みが不自然に揺れていることに気付いた。しばらくその方向を見ていると茂みから何かが出てきた。


「ブラッド」


 そう言って出てきたのは、メンデスだった。


「そろそろ戻るか」


「そうね」


 といってここから去ろうとした。


「私の武器を返しなさいよ!」


「はぁ? あんたの物じゃないでしょ? 何言っているの?」


「しょうがないよ。そういう奴だから」


 と2人ともこちらを嘲笑うように言ってきた。凄くムカつく。この2人……この2人?


 今頃気付いたけどオノマと戦っていたときユアを引きずっていたはず。それなのに近くに彼女がいないことに気付いた。


「そういえばユアは、どうしたの?」


「ああ、あいつねぇ。あいつならうるさいからしゃべれないようにしといたわ」


 それって……と思ったら後ろからカサカサと音がした。何? と思って魔法を使うと後ろに魔物の反応が8つあった。こんな時に! と思っているとゴブリンが姿を現した。


「!? 逃げるわよ!」


 と言ってブラッドとメンデスがその場から逃げ出した。まだ、ユアのこと聞いていないと思い彼等を追いかけるとメンデスがユアを引っ張っていた。一応彼女も連れて逃げているのかと少し安心をしたがよく見ると手がロープで縛られている。後姿だからユアの状態は、分からないけど、布のようなものが頭に巻かれていた。


 布で口をふさがれているのかな? とそんなことを思っていると彼等が逃げている方からもゴブリンが出てきた。後ろからも来ているのに前からも……。近く一帯を調べてみると前からは、10匹が来ていて少し離れたところに7匹もいる。近くに25匹とか多すぎない?


「うわぁ!」


 そんなことを思っていたら正面から出てきたゴブリンに驚いて逃げる方向を変えていたがその方向には、別のゴブリンいるけど……とそんなことを思いながら彼等の後ろを追いかけた。

そして、彼等に追いつくと彼等はゴブリンに囲まれていた。



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― 新着の感想 ―
[一言] この主人公に冒険者は無理なんじゃないかな。 あきらかな悪人相手にみずから武装解除して 騙されているとか・・・。
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