211.フローラと会う
「フローラ」
私がそう言うとリリとララは私が見ている方向をみた。
「あ! あの時のお姉ちゃん!」
「本当だ!」
するとリリとララがそう言ってフローラの方に駆け寄って抱き着いた。
「え、ええ?」
フローラは駆け寄ってきた2人が急に抱き着いてきて戸惑いながら私の方を見てきた。もしかして助けを求めているのかな? と思ったが急に駆け寄ってきたから誰だったのか分からなくて戸惑っているのかも。とそんなことを思いながらフローラの方へと歩きながら初めて会ったわけじゃないということを伝える。
「前に私と会ったときに居た子達だから」
「「もしかして分からなかったの?」」
するとリリとララが抱き着いたまま顔を上げてフローラのことを見た。
「……あ、リリちゃんとララちゃん?」
顔を見たフローラは2人が誰なのか分かったみたいで、そう聞くとリリとララが嬉しそうな顔をしながら頷いていた。
「「うん!」」
「それじゃあ、レーナちゃんの隣に居るのはユアさんとルミアちゃんかな?」
「はい」
「えっと、お久しぶりです」
「そうだね。久しぶりだね」
と言いながらフローラはみんなの名前を確認していた。
「こんなところでフローラと会うとは思わなかったけど、フローラは何をしに来たの?」
「私は、そこの建物に来ただけだよ?」
と言ってフローラが指した方向は先ほど見ていた大きな建物だった。
「あそこなの?」
「うん。そこで、いろいろ教わっているの」
……もしかして、フローラが以前言っていた勉強をしているところがこの建物ということ? と私は思っていたよりもいい環境で学んでいることを知って驚いた。




