208.新たな鍛錬メニュー?
まずは、剣に魔力を纏わせながら魔力の量が一定になるようにしていつもの鍛錬を行うが動作をしながら魔力を一定に保つことはなかなか難しかった。
「これは、思っていた以上に難しいかも……」
……まぁ、初めてやったことだから仕方ないか。そう思い少し内容を変更することにした。自分で決めた一定以上の魔力を剣に纏わせるということにしていつもの鍛錬を行った。
「ふぅ~、今日はこれくらいにしようかな?」
普段の鍛錬と一緒に魔力を使いながらということでいつも以上に疲れたが慣れれば大分楽になるかな? とそんなことを思いながら今後の鍛錬のメニューに追加しようと思った。
追々は一定の魔力で行うことが目標だけど、それができるようになるのはいつになるかなと思いながら気長にやって行こうと思った。
鍛錬が終わり部屋を出るとちょうど奥の部屋からエギルさんが出てきた。するとエギルさんは私の方に近づいてきた。
「終わった」
そう言って私の刀を渡してきたので受け取った。
「代金はいくらですか?」
「それはいらない。その剣のお金を払う」
と言ってエギルさんはまた奥の部屋へと消えて行った。そしてしばらくすると袋を持ってきた。
「これがその剣の代金だ」
と言って袋を渡された。
「えっと……いいのですか?」
「構わない。そういう契約だ」
確かにそういうことは話したけど、これから結構な頻度でやることになるよね? 一応、エギルさんに聞いておいた方がいいかな?
「あ、あの、これからほぼ毎日、このような剣を1本作っても大丈夫ですか?」
「……問題はないが、代金を払い続けれるかが分からない」
「そこは気にしなくてもいいですよ? むしろ、もらえる代金を安くしてもらってもいいくらいです」
さっきもらった袋もいくら入っているかは分からないけど、おそらく金貨が何枚も入っている。これが毎日となったらエギルさんのお店のお金が無くなってしまいそうだ。そもそもこのお店で他のお客さんと会ったことないけど、一体どうやって成り立っているのか知りたいくらいだし。
「……お金の面は何とかする。最悪、魔鉄に戻してでも売りに行ってくる」
「大丈夫ですか?」
「あぁ、何とかする」
「そう言うことでしたら……。でも、私のせいで困ったことがあれば直接言ってくださいね?」
「……善処しよう」
それって、言ってくれない可能性があるのでは? と思ったが私が口をはさむようなことではないのかもしれないと思った。
それから、エギルさんにお礼を言って私は宿へと戻った。




