206.部屋での一幕
部屋に戻った私は、これで依頼や孤児院の件も一段落かな? と思いながら体を伸ばしているとユアが近づいてきた。
「レーナちゃん、今回はいろいろありがとう」
「いいよ。気にしなくて」
「でも、レーナちゃんが居なかったら私達がどうなっていたかは分からなかったから……」
「そんなことないと思うよ? とりあえず、どこかの宿に泊まるくらいのことはしたんじゃない?」
「それは、そうかもしれないけど、宿の良し悪しが分からないからもしかしたらよくないこととかも起きたかもしれないし」
それは少しありそう? まぁ、でも、私はこの宿以外の宿を知らないから可能性として少しあり得るかも? と思っただけだが。
「まぁ、もしもの話をしても仕方ないよ。とりあえず、明日からは新しい一日が始まるわけだよ?」
「そうだね。頑張らないと」
ユアはそう言いながら両手を握り締めながら張り切っている様子だった。すると私達の話を聞いていたルミア達が。
「ララも頑張る」
「リリも頑張る」
「わ、私も頑張りたいと思います」
と言って少し張り切っている様子だった。ラナさんと話す前は不安そうにしていたルミアも少し元気そうだったので大分不安も軽くなったのかな?
「張り切るのはいいけど、張り切り過ぎて空回りしないようにね?」
「分かっているの」
「「は~い」」
「気を付けます」
とそれぞれがそう返事をしたのでとりあえず、今日はいいか……。と思いながら明日、何かあった場合は注意しようと思った。それからはユアがリリとララの相手をして、私はルミアとまったり過ごした。
ルミアと2人で話しているときに思ったがルミアと2人で話すことは今までほとんどなかったはずだから少し新鮮に感じた。それにルミアと話していて思ったけど、思いの外、気が合うようで、話が合った。まぁ、年が1つしか変わらないというのと昔の境遇がなんとなく似通っている部分もあって似たようなことをしてきたのも影響しているのかもしれないけど。
そんなことを思いながら話しているといつの間にか部屋が暗くなっていて、夕食の時間になっていた。
その後は夕食を済ませて、お風呂に入り、少しリリとララの相手をすると2人とも疲れたようでわりとすぐに眠ってしまったので、私達も早い時間だけど、依頼で疲れていたため早く寝ることになった。




