202.ラナさんとの話を伝える
「……孤児院に戻れないのなら私達はどこで暮らせば……」
するとルミアが焦燥感漂うようにそんなこと言った。そう言えば今後のことを何も話していなかった。と思いこれからのことを説明することにした。
「とりあえず、しばらくはこの宿で暮らせるよ? その後に関してはユア達がどうしたいかにもよるけど、一つだけ案があるわ」
そう言うとルミアは少しホッとした表情を見せた。そう言えば孤児院の管理とかしていたのはルミアだったよね? 詳しくは分からないけど、ユアが冒険者のお仕事をしているときは彼女がいろいろやっていたようだし。とそんなことを思って居るとユアが恐る恐るこんなことを聞いてきた。
「もしかして私とレーナちゃんでみんな分の宿代を稼ぐとか?」
「まぁ、それもできなくはないけど、ルミア達が宿に居るだけでは暇だからお手伝いをしていると言っていたからね?」
「そう言えばそう言ってたかも」
そう言うとルミア達は頷いていた。まぁ、本当のところはどう思っているのかは分からないけど、暇を持て余すくらいなら何かしないのかな? とそんなことを思いながらラナさんと話したことを伝えることにした。
「そこで、ラナさんとそのことも含めて少し相談をしたの。そしたら、ここ最近、ルミア達が頑張っていたからお手伝いとして雇ってくれるって」
「「本当?」」
「ほ、本当ですか?」
とリリとララは首を傾げ、ルミアは驚きながらそう聞いてきた。
「ええ、ただ、たくさんは出ないわよ? 昼食代にお小遣い程度ってラナさんは言っていたけど、どうかな?」
「「やる!」」
「わ、私もやりたいです」
「それなら、ラナさんのところに話に行こうか?」
と言うとみんなが頷いたのでラナさんがいると思う食堂へ移動することになった。




